オープンソースインテリジェンスの高等教育導入カリキュラム開発

欧米を中心に国際政治の分析手法として重要性を増しているオープンソースインテリジェンス(Open Source Intelligence : OSINT)は、ソーシャルメディア、公開データ、衛星画像や地理情報システムなどの解析を組み合わせ、軍事行動や人権侵害の状況を解明するものです。本プロジェクトでは、大学教育にOSINTを先駆的に導入したカリフォルニア大学バークレー校の人権センターと連携し、日本国内の高等教育向けのOSINTカリキュラム開発を目指します。その第一歩として、日本を含めた東アジア地域におけるOSINTの現状とニーズを議論した上で、模擬訓練を実施し、今後の展開を考えます。模擬訓練では国連人権高等弁務官事務所とバークレー校が共同で出版したバークレーOSINT手引書の日本語訳を参照します。

 

日程: 2026年2月16日(月)~20日(金)

場所: 一橋大学国立キャンパス 佐野書院(東京都国立市中2-17-35)

参加者: 教員、実務家は各回のみの参加も歓迎します。学生の参加は模擬トレーニングのみとします。

言語: 逐次通訳あり

参加方法: 対面のみ(参加費無料)、定員40名

 

国立情報学研究所助成研究プロジェクト。

 

プログラム

2月16日(月)
10時―12時 人権・国際法におけるOSINTの活用例(UCバークレー・グエン氏による紹介)

·        課題設定から調査・検証・報道に至る全体像

·        メディアや裁判所など諸機関との協力体制

14時―16時 多言語環境におけるOSINT(ディスカッション)

·        言語・表現やデータとアクセスの地域的特性

·        OSINTツールの汎用性と日本語ツール開発の必然性の有無

·        AIとOSINT

2月17日(火)
10時―12時 東アジアにおけるOSINTの社会実装(ディスカッション)

·        北朝鮮やミャンマーなどの例

·        災害時などの危機管理、ネット犯罪、偽・誤情報対策など日本国内のニーズ

·        メディアや民間(独立調査機関、CivTechなど)との連携

14時―16時 地域的社会要因の解明(ディスカッション)

·        プライバシーと個人情報への懸念について

·        デジタル・リテラシー

·        国際法などの規範と基準設定の在り方

2月18日(水)
10時―16時 模擬訓練 「調査計画、検索技術、倫理とセキュリティ」(UCバークレー・グエン氏)

·        このセッションではオープンソース調査の基礎として、すなわちバークレー手引き書の基準に沿ったデジタル調査の計画方法、基本的な検索技術、安全対策、倫理に関する導入部分を学びます。

·        事前経験は不要です。講義と実践を半々で行うためPCをご持参ください。

·        本セッションでは以下のスキルセットの習得に重点を置きます。

o   調査計画・立案:案件を選ぶ基準、調査実施前に必要な計画、安全かつ倫理的に調査を行う方法など

o   検索:ブーリアン検索、高度な検索演算子、外国語での検索方法、画像や動画を入力として検索する方法など。

2月19日(木)
10時―16時 模擬訓練 「地理位置特定と検証」(UCバークレー・グエン氏)

·        このセッションでは基本的なデジタル調査技術として、画像や動画の位置を特定する方法、オンライン上の情報を検証する方法を学びます。

·        本セッションには、検索技術の応用知識が必要です。またGoogle Earth Proが既にインストールされたPCをご持参ください。

·        本ワークショップでは以下のスキルセットの習得に焦点を当てます。

v  地理的位置特定

    視覚的手がかりによる位置の特定

    Google Earth Proを用いた地図作成と地理的位置特定

    衛星画像の解釈

v  検証

    検証のための分析手法

    AI生成画像・情報の判別

    検証におけるAIの活用

2月20日(金)
10時―13時 総括(ディスカッション)

·        大学教育向けカリキュラム開発について

·        実務家向けなど広い分野でのトレーニングニーズについて

·        OSINTに関連する研究について

 

 

講師: カリフォルニア大学バークレー校人権センター OSINTトレーニング・マネージャー

ブライアン・グエン(Brian Nguyen)氏

 

カリフォルニア大学バークレー校において学生および人権擁護・法律・ジャーナリズムに携わる実務家を対象としたデジタル手法トレーニングプログラムを統括する研究者兼ビジュアルジャーナリスト。バークレー校着任前はシカゴ・トリビューン紙などの新聞社でフォトジャーナリストとしてメディア業界に貢献。カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院で修士号、カリフォルニア大学デーヴィス校で国際関係学士号を取得。

 

モデレーター兼通訳: 一橋大学グローバルオンライン教育センター

准教授 中谷純江

 

申込み: 2 月13 日(金)正午までに以下のリンクで申し込みください。
https://forms.gle/DnZJR51tMX4i5rYN7

問合せ: 一橋大学グローバル・オンライン教育センター
goe-center-jimu@arinori.hit-u.ac.jp