【特集】一橋×国際連合インターンシップ:国連開発計画と国連活動支援局を経験して
今回、国際連合(国連)のインターンシップについて、一橋大学修士課程の土方祐治さん、長谷川皓一さんのお二方に感想を聞いてみました。
・土方祐治(HIJIKATA Yuji)
一橋大学 国際・公共政策大学院国際・公共政策教育部 国際・公共政策専攻(グローバル・ガバナンス・プログラム)2年
・長谷川皓一(HASEGAWA Kouichi)
一橋大学 国際・公共政策大学院国際・公共政策教育部 国際・公共政策専攻(グローバル・ガバナンス・プログラム)1年
一橋大学森有礼高等教育国際流動化機構GOEセンター講師。専門は国際関係論、比較政治学。ニューヨーク市立大学にてPh.D. in Political Science(専門は国際関係論(紛争解決、平和構築))を取得。米国国連協会プログラムディレクター、国連女性開発基金ガバナンスプログラム・スペシャリスト、米国社会問題評議会紛争予防平和フォーラムプログラムコーディネーター、国際連合 平和活動局 政務官などを経て、現職。主な業績には、“Victimization, Empowerment and the Impact of UN Peacekeeping Missions on Women and Children: Lessons from Cambodia and Timor-Leste”, in Defying Victimhood: Women and Post-conflict Peacebuilding, edited by the United Nations (New York: United Nations, 2012): 96-117.、“Women and Gender Issues in Peacebuilding: Lessons Learned from Timor-Leste” in Women, Peace and Security: Translating Policy into Practice, edited by Funmi Olonisakin, Karen Barnes, Eka Ikpe (London: Routledge,2011),155-170.などがある
※対談(2023年3月8日)時点
〜対談〜※敬称略
土方:土方祐治と申します。一橋大学国際・公共政策大学院修士2年生で、今年2023年4月から開発系の行政機関で働く予定です。本日はよろしくお願いします。
長谷川:一橋大学国際・公共政策大学院修士1年の長谷川皓一と申します。専門は国際法、国際人権法です。就職は、2024年4月から経営コンサルタントとして働く予定です。よろしくお願いします。
一橋に来た理由と国連への興味
中谷:よろしくお願いします。まずは、どんなきっかけで国連に興味を持ちましたか?一橋に来た理由もお願いします。
長谷川:学部では法学を専攻しました。解釈論を勉強する中で強く感じたのは、法律は作る段階から変えなければいけないという点です。そこからどうやって規範を作るのか。そこでは特に国際連合など上部のアクターの存在が非常に重要です。
また、私は貧困撲滅に興味があり、貧困撲滅に携われるアクターの1つの選択肢として国連開発計画(UNDP)があります。この2点が自分の中で非常に大きくあり、じゃあUNDPで働いてみようと。UNDPという枠組みの中で公共政策に携わりながら立法過程や立法化による影響などを学べるのではないかと考えました。
一橋大学の国際公共政策大学院への進学を決定し、その後に国連のインターンシップをやってみようっていったところ、UNDPのインターンに関するメールが大学から送られてきたので、ぜひ参加してみようと思いました。そういった経緯です。
土方:私は学部で国際関係論、国際政治学を中心に学びました。特に台湾に関心があるのですが、原体験を振り返ると、途上国にある課題、特に地域紛争にかかわるような部分に関心があったので、一橋では紛争研究や平和学について学べればと考え入学しました。
西アフリカには西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)という準地域機関があります。そこが域内の内戦に対して介入をする訳ですが、他方で国連平和維持活動(PKO)もやはり重要なアクターです。勉強する中で、この利害が異なる両アクターがどのように関わっているのかというところにも興味が湧いてきました。そこで国連のTPP(三角パートナーシップ;国連、支援国、要員派遣国の三者が互いに協力しPKOに派遣される要員の訓練、必要な装備品の提供を行う協力枠組み)チームのお話をいただいて、是非応募したいなと思い参加しました。参加の経緯は、たまたま中谷先生から国連活動支援局(DOS)内でPKOに関わる部署であるTPPチームがポストを募集しているという話をいただいたので、その経緯で参加しました。
中谷:ありがとうございます。補足ですが、私は国連本部から休職という形で一橋に来ています。国連本部の友人にどこかでインターン募集していないですかと話をしたら、DOSから受け入れ可能のお返事をもらいました。また軍縮関係での可能性があったのですが、応募する方がいませんでした。
土方君の場合は、直接ニューヨークの本部とのオンラインでのインターンという形で、長谷川君は東京のUNDP事務所に出勤されたのですよね?
長谷川:そうですね。東京のUNDP事務所に月4回程度出勤していて、それ以外は基本的にオンラインで仕事をしているような感じでした。私が携わっていた仕事ですと、国連本部からパートナーシップ部長や人事部長が来日する際の準備の手伝いなどです。それ以外にも駐日事務所らしい仕事としては、ホームページに掲載される文章の作成であったり、「国連ジャーナル」に掲載する近藤哲生駐日代表の文書を作るお手伝いだったりなどがありました。
土方:私の一番大きかった仕事は、2022年9月のTPPチームのプロジェクトです。それが国連大学(東京・表参道)で開催されるということで、要員派遣国側からの参加者、つまり訓練を受ける側はオンラインで参加しました。国連側としてはインターン生ではあるのですが私が唯一の参加者でした。そこで国連側と現地で訓練を提供する日本側(支援国)を繋ぐような役割としてお仕事をいただきました。その他としては、TPPチームのおこなっているプロジェクトの効果測定に関してTPPチームの中でデータベースを作成し、より自分たちのプロジェクトの効果を証明していこうという動きがあります。それに携わりました。あとは口上書や国際連合事務次長(USG)がドナー国に対して説明するためのレポートのドラフトを私が書き、それを段々上の年次の人が修正していく、ということもおこないました。
中谷:ドラフティングがあり、リサーチがあり、現場の指揮みたいのがあり、割と多様な職務内容だったのですね。割合としては対面が20%、オンラインが80%みたいな感じですか?
土方:そうですね。対面はプロジェクトの期間、つまり2022年の9月12日から16日までの1週間程度だけで、国連側の職員は基本ニューヨークにいらっしゃるので、そこはフルリモートでコンタクトを取っていました。
応募・面接の苦労話
中谷:オンラインでやることのチャレンジなどはあとでお伺いしたいんですが、ちょっと戻って、一橋の教員、あるいは一橋大学からそういう公募を受け取った時、どんな準備をしましたか?英文のレジュメ(CV)や国連のフォームって難しいなとか。その辺の応募段階の苦労話もちょっとお伺いしてもいいですか?
土方:応募段階では履歴書(レジュメ)とカバーレターの2つが必要だったので、それに向けての準備をおこないました。その時既に就活を終えていたので自分自身のエピソードは持っていた。ただ、それをどう伝えるのかに関しては日本の就活とは少し違うなという印象を持ちました。書き方については中谷先生にご指導いただき、そこでかなり修正した上で提出するという流れを取りました。
中谷:初めてそこでカバーレターを書いたのですか?
土方:そうですね。初めて書きました。
中谷:最初は戸惑いますよね?(笑)
土方:戸惑いますね(笑)。何から始めていいかがわからなくて。
中谷:やはり日本で就職活動をしているとあまりCVやカバーレターとは縁がありません。ただ、インターンを通じて英文によるCVとカバーレターというセットが出来上がると後から使えて便利です。
長谷川:土方さんが言ってくれたこととほぼ同じで、私もCVとカバーレターを中谷先生にご指導いただいてなんとか書き上げました。一番勉強になったのは書き方です。動詞ひとつ変えるだけでも主体的になることは、日本人として直感的に理解できていなかったところです。そういったところをご指導いただき勉強になりました。あとは、自分の経歴の中でどう国際協力や国際というテーマに繋がるか、という「点と点を線で繋ぐという作業」が重要だと痛感しました。
中谷:面接はあったんですよね?言語などはどんな感じでした?
長谷川:面接は基本的には日本語で、なぜUNDPがいいのか、UNDPにおけるどういった活動が魅力的か、など基本的な内容の質問でした。ただ、3つ程度英語で聞かれたものもあり、それらを通じて英語で職務を遂行できるかということを見られていたのではないかと思います。私は予想もあまりできませんでしたから、英語での応答の準備はしておらず、その場で自分のできる範囲で対応しました。「落ちてしまったら仕方ないかな」と思いながら自分のできる範囲で答えました。
土方:面接官は日本語話者の方でしたが、面接が始まるまでは英語なのか日本語なのかわかりませんでした。念の為両言語で準備し臨みました。結果的には私も同じく日本語でした。内容としては志望理由を少し、あとどんなことをやりたいのかの2つが聞かれたことです。特に後者に関しては自分の経験を聞かれて、その上でどんなことをやりたいのかを踏まえつつ、面接官の方と「こんなことはできるよね?」などを考えていく。そのようなマッチングタイプで面接は進みました。
中谷:それも日本のスタイルと違いますね。日本の履歴書ではやりたいことを書かせますが、国際機関、海外では、何をやってきたかや、どれができるかという点を重視する。レジュメとカバー・レター書き方講習を開催した際に多くの学生は志望動機を書くのだけど、それが決して求められているわけではないのです。興味深いですね。
インターンを始めた時にオリエンテーションはありましたか?あるいは、特になく、その日から「じゃあこれをやってね」という流れでしたか?
長谷川:私の場合、まず1日目にオリエンテーションがあり、組織概要を説明され、あとはその時に応じた業務がその時に振られていくという形でした。
中谷:ちなみにその時のインターンは1人でしたか?
長谷川:私含めて2人いて、もうひとりの方は既に外務省であったり他の機関で働かれていたり、他の国連のインターンでも働かれた経験もある経験豊富な方でした。
中谷:土方君はオリエンテーションなんてなかったんじゃないかという気がしますが(笑)。
土方:その通りです(笑)。オリエンテーションはなくて、最初はかなり戸惑いました。TPPに関するファクト・シートや情報をいただき一通り目を通した段階で話す機会を設けてくださったので、聞きたいことをこちらから聞いて理解を深めていくというようなやり方でした。それには積極性が必要で、もっとガツガツ聞きにいってよかったんだなと後から反省しています。
国連だからこそ感じたこと
中谷:次はその辺を聞きたいですね。実際に仕事してみて、反省点とか逆にこれは国連のインターンじゃないとできなかったなあとか思うところはなんですか?
土方:先ほど業務内容の話をしましたが、自分が何をしたいのかをどんどん言わないと伝わらない。職員は職員で日々の業務で忙しいので、こちらからどんどん質問したり、こちらがリードしていくくらいのつもりでないとやりたい仕事には辿り着けないなというのは実感したところでした。
長谷川:私も同じです。与えられた仕事自体はやれる範囲ではあるのですが、オンラインということで職員とのコミュニケーションが取り難いこともあり、自分から積極的に質問したり、こういう仕事をしたいということをなかなか言えませんでした。ただ、実際会ってみるとフラットな目線で接していただいて、私が人権問題に興味があることを伝えたら、関連する仕事を振ってみていただいたり。他にも職員からフィリピン事務所の方を紹介しようかとおっしゃっていただきました。基本的に国連職員の方は「してあげたい」気持ちで私たちに接してくださいましたが、私自身が自ら掴みにいけなかったなというのが反省点です。
中谷:オンラインだったというのは大きいのでしょう。定期的にそこにいて会話できればいいのですが。オンラインだとミーティングを設けないと話す機会すらない。その代わり学期中でもインターンができるとか、ニューヨークの本部まで行かなくてもインターンができるといった強みもある。オンラインでやるからにはどんどん積極的になるとか、やりたいことを伝える手段を設けるとか。反省点というより、Lessons-Learned(今後に生かせる教訓)でしょうね。
そういうチャレンジはありながら、国連インターンでしか経験できない様なものはありましたか?
長谷川:国連の業務の中でそのミッションのお手伝いがあるのですが、すごい経歴を持ち合わせる方々とフラットな目線で会話できました。その方の経緯だったりとか想いなど、「国連職員の誰々さん」というところの内面が見れたのがすごく印象的です。その方も学生の頃はただのインターンだったし国連職員になるとは思ってなかったけれど、しかしこうやって働いている。その人の人間性がわかるエピソードに触れられたのは、インターンとして直接参加しているからこその特権かと思います。
中谷:土方君は?
土方:どの国連機関も同じだと思うのですが、やっぱりドナー国があってこそプロジェクトですので、外交的にドナー国からの予算を確保するっていうことは非常に重要です。その点を職員のやりとりを実際に見ながら学ぶことができたのは有意義でした。
中谷:それ共通するテーマですね。「国連、国連」って思ってるけど、加盟国あっての国連なのです。業務内容ややり方は加盟国との交渉やセッションなどテクニカルで非常に外交的なものばかり。やってることはそれこそ国際関係ですね。
国連大学でやったプロジェクトの時はどんな方々がいらしてたんですか?
土方:国連大学でのプロジェクトには、自衛隊の幹部の中の方々と自衛隊の施設学校長が。自衛隊の教官団が実際に訓練を提供していたので。あとは外務省からだったり、政治家の方もいらしてました。
中谷:国際関係で勉強するアクターっていうんですか。カラーの違う国際機関、加盟国とか政治家が集まったのですね。やりたいこととか私見とかも全然違うし、そういうのも比べてみて、何かその違いが分かったりもする。
土方君の場合はインターンは当時は1人だけだったのですか?
土方:そうですね。そのプロジェクトは1人だけでした。
中谷:やっぱり心細い感じがしました?
土方:心細かったです(笑)。みなさん軍服を着られている中、ひとりだけスーツだったのでアウェー感はすごく感じました。
中谷:そうですよね。スクリーンとはいえ。
土方:自衛隊の方々と日本人の国連職員の間でもやり方が違う。自衛隊の方々は国益に準ずるものというのが最優先になってくる中ではやりたいことも異なる。TPPのプロジェクトというのが今後どれだけ大きくなっていくのか、あるいは多角化していくのかについてのやりとりにおけるもどかしさはすごく実感しました。
中谷:それは教科書でも勉強しますが、加盟国、国益、国際機関の視点が個人のレベルだけでなく組織でも全く異なるのは面白いですよね。そこにいるとそれが普通になるけど、一歩離れて比べると「違うわ」となる。発想が全然違う。それはやっぱり国連に入ると見えるところでしょうか。
業務上の英語は問題ありませんでしたか?
長谷川:業務上支障が出ることはありませんでしたが、やはり精進しなければとは思いましたね。至らなさを痛感するような毎日でした。もう少しいい言い回しないかなとか。特に来日する方の履歴書を日本語に翻訳して政治家の方にお渡しすることがあるのですが、その時にもう少し何かいい言い方ないかなとか、伝わりやすい方法はないかなというのはありました。実際来日してる時ももうちょっと自分の伝えたい思いをその人に伝えられたらいいのになっていうことはありました。
土方:私も英語に関してはすごく苦労したわけではありませんが、国連職員ならではの単語があるので、それを理解するのに少し時間がかかりました。
インターンを経て変わったこと
中谷:逆にいえば、今後国連でインターンをしてみたいという方はそんなに英語のことを心配しなくても良さそうですね。入った後に専門用語さえクリアすれば。
インターンやってみて変わったなというのはありますか?
長谷川:私としては変わったのかなっていうのがすごく正直な感想です。修士1年生の頃に難民支援のNGO活動に参加し、国際協力の中では一番現場に近いところを担当しました。その後国連で、特に駐日事務所ですから、日本からどう政府開発援助(ODA)を引っ張ってくるかを考えるわけです。現場組織と上部組織の両方に入ったからこそ、自分の中で国際協力にどう携わりたいかというのがより明確になりました。やはりその現場の感覚も忘れたくない。かといって、国連など国際機関があることによって、そこが規範を作ることによって活動はできるっていうところもすごく重要な視点だと思います。自分が携わる理由をもう一度考え直すすごくいい機会になりました。
中谷:幅が広がって良かったですね。国連って、みんな一度は参加してみたいと思いつつ、なかなかチャンスがなく、いつも頭の隅で「ああ、行ってみたかった」とか、「やってみたかった」と思うものですが、一度入ってみると見てみて分かることっていうのもあるのですよね。
土方:一番印象に残っているのは、ドナー国ありきでプロジェクトが動くっていうところと関連して、ひとつのドナー国に対するレポートを書くにしても、内部でいろんな人の意見があって、私が読んだレポートにもいろんな人の意見がそこに書いてあって、どれを優先していいのかというのが正直全く分からなかったのです。全く分からなくて困ったと同時に、やっぱりそこが面白さなんだなっていうところに気づきました。それは国連の内部だけじゃなくて外部交渉も含めて。そこがやりがいになっているし、そこが面白さなのかなとは思いました。
中谷:国連はプロセスを重要視しますね。内容もさることながらプロセス。そのプロセスをどう戦っていくかとか、自分だったらそれどう持っていくかっていうところまで見えてくると、国連でも、言い方悪いけど上に行ける。来日された上司の方はそういうのを見極めてメッセージを送るのでしょう。
これから就職で、きっとこれからいろんな局面があって、どこに行くかは本当に未知数だけれども、この経験が何かに役立つっていうビジョンはありますか?
長谷川:私は将来JPO試験を受けてみたいと思っています。その際、インターンでの経験は志願する上で強い動機になると思います。また、国連職員の方々とのつながりを持ち、その方々のエピソードを聞けたのはすごく私にとってはありがたいことでした。
学部在学中から国連に興味があったので国連公用語でもあるロシア語を勉強しようと思ってロシアに留学しました。しかし、ロシア語は本当に使えるのかっていうことは留学期間中から思っていた。今回UNDPのインターンに参加した際に、旧ソ連圏で活躍されていた方とつながったのですが、旧ソ連圏でどういった仕事をされているかということを聞くことを通じて自分の語学力ってこう生かせるのだなと具体的なビジョンが見えたのです。それは今後の指針において非常に重要だったかなと思います。
土方:具体的なことですと、国連職員の方々を見ていて参考になったのは、相手ごとに自分の立場をしっかり考えて話を展開する交渉力です。話し方を変え、自分たちのプロジェクトが一番いい方向になるように話を持っていく姿はすごく印象的でした。政府の方々ともお話をするような機会も今後あると思うので、すごく参考になったところです。
最後にメッセージ
中谷:ありがとうございます。最後にこれから国連インターンを目指す方にメッセージをお願いできますか?
長谷川:私のメッセージとしては1つです。とにかく始めてみることが大事。国連はインターンだけでもすごく私にとって恐れ多いもので、ちゃんと働けるのかな、そもそも受かるのかなという不安。とにかく不安しかなかった。自分の能力が足りないんじゃないかって。ただ、それでもとにかくやってみることは大事で、その後能力がついてくるって確信した方が絶対にいいなと思いました。だからこそ、大学院に入ってから参加し、機会をいただけたのは、まだ能力が足りていないですが、重要な経験の1つになっています。やはり最初のドアを開けること。そこがすごく重要なことかなと思います。あとは英語ですね(笑)。
中谷:でもできちゃったしね(笑)。それは自信になるし、これできたんだから次もいけるじゃんと思うようになる。
英語に関して、何をすればいいなとかありますか?
長谷川:やはりリスニングです。聞き取りが一番大事でしたね。スピーキングがある程度幼稚であっても理解はしていただけるので、ある程度は大丈夫だと思いますが、職員は1つ1つ言葉に気を遣われて話していらっしゃるので、それを精緻に聞き分けることは重要かなとは思っています。
土方:言われてしまったんですが(笑)、同じくとにかくまず動くっていうところがすごく大事だと思っています。私も実際動いてはいたんですね。JPOの職員の方々のインタビューがあってそこに実際に参加して話を聞くといった行動はおこなっていました。ただ、そのもう一歩先に行かなきゃいけない。国連のインターンは日本人で経験ある方って本当に少ないですし、そもそも情報がないので不安だらけ。私も不安だらけでした。しかし、その中でも国連で実際に働かれている日本人の方々は先生も含めていますし、そういう人たちと積極的にコンタクトをとって、自分がやりたいことはこうなんだ、そのためにはここに行ってこういうことがしたいということを発信する。ぜひ勇気を持って取り組んでほしいなと思います。