国内の展開

チューニングとは

 チューニングは、大学が主体となり、教員の主導により行われます。チューニング(調律、調整、調和)という用語に表されるように、カリキュラムの統一化、規格化、標準化を避け、「教員主導」「専門分野別」「学生主体―何を教えるのか、ではなく、学生が何を学ぶのかの視点」で教育内容を理解し合える「共通言語」を形成しようとする「プロセス」であり、大学の主体的努力が問われる点が特徴です。

チューニングの機能
 チューニングでは、学生が学ぶ内容、養成されるコンピテンス等の学習成果、学習に要する物的・人的資源等が具体的に定義され、その成果は参照基準や単位加算モデルとして学内外で共有されます。学術分野別に専門の教員が主体となり、産業や社会のニーズをくみ取りつつ行われるため、学術的に質が保証されるだけでなく、市民性や雇用市場での要求に応えることができます。また、教員は分野別に作成された参照基準を個々の授業計画や評価の参考材料として活用できるばかりでなく、教科の組合せ、学位を構成する課程を体系的に検討することができます。
チューニングの効果と成果
 チューニングには大学教育の国際化、教育の質保証、社会人学生の増加等多面的な効果があります。
 授業設計と成績の付与(評価基準)を明確にすることで、学生やその保護者、納税者等社会に対する大学教育の透明性を確保し説明責任を遂行し、質保証へのインセンティブを高めます。
 また、課程を体系化し、単位加算モデルを提案することによって、縦の連続性(学士→修士→博士)のみならず、横の連続性(大学間の移動)も確保されます。これらにより、転学、編入、復学を容易にし、社会人学生を増加させると同時に、質の高い学位授与が可能となります。
 国際的な成果としては、単位と学位の比較可能性と国際通用性が確保され、これらの相互認定基盤が確立されます。ゆえに連携学位をはじめ、学術的に充実した学位が授与され、正課課程の交流も促進されます。
 こうしてチューニングの効果は相互に連動しシナジー性を以って国際化、高等教育のアクセス拡大、質保証を進行させるのです。

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